2014年09月07日

非常に勝手な兄妹説

先に勝手な妄想であることをお断りしておきます。

原作KillingHeartでは、メインキャラで出自のはっきりしていない子が三人います。
カイ、ラディア、ハルです。そのうち、ハルは後に書かれる予定があったものの叶わなくなってしまったという経緯があるので、厳密に言うと二人になりますね。
カイとラディア。この二人の本当の両親はわかっておりません。
意図的ではないことは確認済みなのですが、二人の特徴は似通っています。黒髪に黒い瞳。あの世界ではよくある見た目、と結論付けてしまえばそれまでです。
しかし彼らには「実の両親不明」という共通点があり、作中の時系列で言えば
産まれたばかりのカイが捨てられる
→ラディアが生まれる
→ラディアの両親がアスリックらに殺される
という流れができています。
つまり、カイを手放した以降もその両親は生きていたと思われ、
その後に何があってもおかしくはないということになりませんか。
今回の勝手考察は、「カイとラディア兄妹説」です。
……本人たちも眉唾だろうなあ。「ないない」って首を横に振るだろうなあ。多分原作者に言っても否定されるでしょう。

見た目が、ことに髪と眼の色が家系や民族的に特徴として現れているというパターンが、キルハ世界には存在します。
グレンさんは母親の銀髪銀目を受け継いでいますし、ハルの髪と眼の色はサーリシェリア人の特徴としてはっきり明言されています。カスケードの色も家系的に受け継がれたものという設定があります。
そのパターンに則っていると考えれば、カイとラディアの身体的特徴が似通っていることに、血縁関係を疑えるのではないでしょうか。
ましてカイの両親は完全に消息不明です。産まれたばかりの我が子を手放した後、旅の途中で再び子供を生み、そして旅先で命を落としたのだとしたら。

ところで、なぜラディアの両親はアスリックらに殺されたのでしょうか。当時ロックフォードは「神獣様」を崇め、生贄を奉げていたというのは本編にある通りです。しかし、なぜ両親ともが殺されることになったのか。作中では彼らが神獣様の住処の構造を記憶してしまったためと説明されています。でも、それだけではなかったとしたら。
この妄想はラディアにとって辛いものになりますが、私には、この両親は我が子を「また」手放そうとしていたのではという疑いが生じました。
それを知ったアスリックらが、殺人の罪悪感とは別に、ラディアは村の子供として育てたいと考えたのだとしたらどうでしょう。捨てられそうになった子供を見捨てられず、親に制裁を加え、子に手を差し伸べたのだとしたら。
ラディアが真相を知らされることなく今日まで生き延びた理由が他にもあったと考えることは可能だと思います。

カイは産まれてすぐに手放されています。それは親が「この子を育てることは不可能だ」と即判断したからだと考えることができます。
その理由が、旅にあったとしたら。移動し続けなければならず、ひとところに留まることができないので、子供を育てることが不可能だと判断されたのだとしたら。
とても無理やりな話になりますが、それはラディアの両親の行動へと繋がりませんか。

もちろんこの説は穴だらけです。身体的特徴なんて、別人でも似通っている例はあります。金髪紫眼とか、カスケードとカーティスとか。それにカイは薬作りが特技ではありますが、治癒の力は持っていません。
(しかしそもそも「治癒の民」は私が勝手につくりあげた設定であり、ラディアのみの特殊能力とも考えられます。ラディアが能力を使ったとき、異能として恐れられた理由はそこにあるかもしれません)
ですからこれはあくまで可能性妄想。二人がどのような関係であろうと、仲間には変わりありませんので。

「ちょっと無理やりすぎますよー」
「この妄想、誰も幸せになりませんよね。寧ろラディアが不幸になるんでやめてください」
などと当人たちからの批判の声が聞こえてきそうですが、実は何年も考えていたことなので書いてみました。
ごめんね、カイ君、ラディ。
posted by 外都ユウマ at 14:55| Comment(0) | 考察 | 更新情報をチェックする

2014年01月11日

『Tragedy of Senvene』考

私はKillingHeartの大ファンだと自称しております。
浅野氏の作りだしたこの世界がなければ、私がこれまでに書いた物語の多くは生まれていなかったといえるでしょう。かなりの影響を受けております。

その一介のファンが、この世界が生まれて10年という節目に、作品を考察する。ある意味冒涜ともいえる行為ですが、やらずにはいられなかった。
KillingHeart第一作目『Tragedy of Senvene』には、初期作品ということで謎も多いのです。たとえば、この作品は主にリア・マクラミーの見た光景を描いていますが、果たしてグレンとカイは何を見たのか、それが明らかにされていないのです。
現在『Reverse508』という「もしもニアが生きていたら」というIFの世界を書いていますが、ここでもセンヴィーナの悲劇の謎について少しだけ触れています。

このセンヴィーナの謎について、考察……というよりも空想を膨らませてみようというのが今回のコンセプトです。
公式ではありませんので、これもIFの話として受け取ってくだされば幸いです。



謎1 何故軍人であることを隠すよう要請されたのか

作品冒頭、リアとグレンのやり取りがあります。
「何で要請を受けて出動しているはずなのに私服なんですか?私達」
「センヴィーナから怪物が出るから何とかしてくれと要請が来たときに頼まれたらしい。『来るときは私服で、そして軍の車で来る場合は村の外に車を隠してきてください』ってな」
理由は行けばわかるだろう、とグレンは言いますが、結局作中では明かされることはありません。
この件はセンヴィーナ村からきた依頼型任務です。
依頼型任務は、団体の総意のものとは限りません。個人の依頼も可能です。クリスの過去話である『何かを信じたそのあとに』では、現場の宿の少女が個人で依頼を出していました。
ですが、センヴィーナの場合はグレンが「センヴィーナから」という限り、村の総意か、代表による依頼である可能性が高いと思われます。
総意であるにかかわらず軍人であることを隠すようにと頼むことは考えにくいので、村の代表か一部が依頼することを決めたのでしょう。
このことから考えられるのは、「村の中に事件の首謀者がいた」ということではないでしょうか。


謎2 人が一人もいなかった理由

センヴィーナ村に到着した三人は、酷く荒らされている村を目の当たりにします。
ですが、そこに人はいませんでした。死体の描写すらもありません。
少なくともリアの調べた北側では、誰も見つけられていません。グレンの行った東側、カイの行った西側はわかりませんが、同じ状態だったのではと考えられます。
エメロードのみが「中は何事もなかったかのようにきれい」な家で発見されましたが(最後に彼女はすでに命を落としていたことが判明しますが)、それ以外の人間が登場しないのはなぜでしょうか。
首謀者によって村人全員が消されたのか、それともケルベロスの仕業なのか。この謎は一旦保留にしたいと思います。


謎3 エメロードとお母さん

この物語のカギとなる少女エメロード。彼女に関しても謎があります。
彼女は母にクローゼットの中にいるよう言われ、ケルベロスがいるあいだはそこから出ませんでした。彼女の遺体はクローゼットにあるのではないかと推測されます。
では、彼女の死因はなんだったのでしょうか。また、彼女の母はなぜ彼女をクローゼットに入れたのでしょうか。
エメロードの家の中が「何事もなかったようにきれい」だったことも気になります。この場所はケルベロスの入り得ない場所だと、エメロードの母は知っていたのではないでしょうか。
しかし他の家の内部の描写がないので、エメロードの家の中だけが不可侵の場所だったとは言い切れません。ケルベロスは何度も村に出没しているようなので、村の人々は自然と「家にいれば大丈夫だ」という認識を持つようになったのかもしれません。
しかしそうなると、村人全員が消えた謎が再び浮上してくることになります。


謎4 ケルベロスの存在

センヴィーナ以降の物語から、神話生物は自然発生するものではなく人工のキメラであることが明らかになっていきます。(その流れを作ってしまったのはディペなのですが)
ですからこのケルベロスも、誰かが作ったものであることがうかがえます。生成した人物は、1で推測したように村内部の人間である可能性が高いです。
一日二回、外に出ること、村の人々はそれを恐れていたことがエメロードの話からわかります。何度も来ているにも関わらず、村が壊滅するまで軍に要請がなかったのはどういうことだったのでしょうか。
ここからも、やはり内部犯行であったことが推測されます。ぎりぎりまで軍にケルベロスの存在を知られたくなかった。しかし、どうしようもなくなってしまったために軍に連絡をした。だがすでに遅かった、というのが流れでしょう。
そこまでして隠したかったとすれば、ケルベロス生成に関わったのは村の要人だったのではないでしょうか。
また、ケルベロスは倒された後、「眩い光」に包まれてから「パンっとはじけてその姿を消し」ます。これで、このキメラが存在していたという証拠はグレンたちの証言のみとなってしまいます。
ところでこの消え方、エメロード(の幽霊?)が消えていくときに酷似してはいないでしょうか。
ここで村人が消えた謎に戻ります。


ケルベロスはセンヴィーナで生成されたものと仮定します。おそらくは、村の要人によって作られたのでしょう。
その過程でなのか、あるいはこちらが本来の目的だったのか、「死した人間を跡形もなく消す技術」が生み出され、村人たちはその処理を施されたのではないでしょうか。生前に、病気の予防などと偽って。エメロードもその一人であり、彼女が死んだのは母にクローゼットの中に入れられたあとではなく、グレンたちがケルベロスを倒しに外に出たときであると考えることはできないでしょうか。
またクローゼットの中に、エメロードが死に至る何かがあったとも考えられます。彼女はリアに見つかる前とケルベロス出現後の二度、クローゼットに入っているのですから。
エメロードの家の内部が無事だったこと、クローゼットの中に疑問が生まれたことから、エメロードの母は怪しい感じがします。私はもしかすると彼女が、ケルベロス生成に関わっていたのではないかという疑念を抱いています。だから自分の家を守るための対処ができたのではないかと。「買い物に行っていた」というのも本当かどうか疑っています。
ケルベロス生成に関わった人間たちが自らの作りだしたものの反逆にあい、ケルベロスと同様にして消えてしまったのだとしたら。村には何も残らないのではないでしょうか。
ケルベロス生成に関する研究の記録が村に残っていたなら、真実は明らかになるのでしょうが、それすらも処分されたあとだとすれば、「消えるキメラ」は二度と生成されることがないのかもしれません。


せめてグレンとカイの得た成果がわかれば、センヴィーナの謎も解けるのでしょうが。以前そのあたりを考えようと思ってゲームっぽいものを作ってみたんですが、出来があまりにもひどかったので封印したんですよね。
そのときのストーリーを、いつか非公式のものとして文章化できたらなと思います。



ところで、『Tragedy of Senvene』の楽しみ方の一つに、グレンさんが「わんこ」って言ってるのが可愛いっていうポイントがあると思うんですがいかがでしょう。
posted by 外都ユウマ at 21:30| Comment(0) | 考察 | 更新情報をチェックする
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